【小説のモデルにした実在の人物たち】ケビン・ミトニック


事実は小説よりも奇なり。


まさに、こんな言葉が今回の記事には相応しいでしょう。

僕の小説にも、一見、超人的とも思える常人離れした人物たちが数多く登場しますが、彼ら彼女らにも実際にモデルにした人物が存在します。


今日は、その中の一人を紹介してみたいと思います。


■ケビン・ミトニック

80年代~90年代に活躍したハッカーで、まだネット環境も存在しない時代からハッキング活動を行っていた天才です。

そんな中、いったい、どんな方法を用いてハッキングを行っていたか?その答えは電話回線です。

当時は電話回線がネットワークの主流となっており、世のハッカーと呼ばれる若者たちは公衆電話等からプッシュボタンを押してハッキング活動を行っていたそうです。

ミトニックも、そんな中の若者の一人でした。


彼は当時、電話会社の王手だったコスモス社などにも手を出します。

ソーシャル・エンジニアリング(回線等を使わずに心理的な隙を突いて相手から情報を聞き出すテクニック)を用いて、まんまとコスモスの侵入にも成功。

大胆にもアナログな手段で情報を引き出そうとしますが、これには失敗してしまいます。


その後は、FBIにも幾度となく捕まりますが、当時としてはハッキングのパイオニアでもありカリスマでもあったことから、こぞってマスコミは彼をハッカーの象徴的な人物像へと仕立て上げていきます。

当時、映画公開された「ウォー・ゲーム」というハッキングで核戦争を引き起こしてしまう危機を描いた作品イメージも手伝って彼のカリスマ性は加速していきます。


主にFBIを相手取り、自分の担当捜査官だった人物にもハッキングを用いて情報を引き出し、悪ふざけなどして楽しんでいた愉快犯でもあったようです。

まさに現代の魔法使いといったところでしょうか。

しかし、利益や金銭には執着は一切なく、彼を駆り立てていたのは好奇心と征服願望のみだったそうです。

冒険家や登山家にも似た心理なのでしょうか。


その後、2000年代に入り、彼はFBIや企業の対サイバー犯罪のコンサルタントなどを行っているようです。


彼は僕の「懲役警察」に登場する、「黒い鷹」ことサラ・ハックマン分析官のモデルにさせていただきました。

シモネタが好きなところや、煩悩の塊のような部分は彼女とは似ても似つきませんが、その腕前や経歴、好奇心は比べてみても彼に引けを取らないでしょう。余談ですが、「ハックマン」はハッキングをする人という意味とジーン・ハックマンから取りました。 笑


散々、悪事を働いた後、警察の側につくところなんかも、そっくりですね。^^;


実際、アメリカなんかでは犯罪において華々しい経歴を持った人物は、後に警察やFBIに協力を要請される場合は少なくはないようです。


なので、小説とはいえ同作品も、あながち虚構の世界とは言えないのです。 笑


ご精読ありがとうございました。^^

これからも小説のモデルにした人物たちを紹介していきたいと思いますので、お楽しみに!^^


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